あいのうた短歌コンテスト 初心者向け短歌講座あいのうたの作り方 |
「短歌ってどうやって作ればいいかわからない!」
そんなあなたのために、審査員の田中章義先生と当サイトの案内役ツージーが、あいのうた短歌コンテストの過去の受賞作を振り返りながら短歌づくりのポイントを紹介します。
第3回 大切なあなたへ
今回は、恋愛・夫婦の歌です! |
恋にこだわりをプラスして
平安の時代に君と生きたなら 私は何首贈っただろう 水谷孝美さん(大阪府) 第7回入選 |
毎年多くの歌が寄せられる「あいのうた」のコンテストの中でも、「平安の時代に君と生きたなら」という状況設定がとても個性的でした。 「何首贈っただろう」という古典の素養を踏まえた下句の表現もお見事です! |
短歌の中で短歌を題材にしているのがまた面白いね。 |
古来、恋の歌を「相聞歌」と言いますが、個性豊かな相聞歌は多くの人の心に残りやすいですね。 自分の得意なジャンルに、読者を誘(いざな)ってゆく表現力。 |
他の誰とも違う、 作者だからこその 【こだわりのある「相聞歌」】を。 |
他者では決して語ることのできない自分だからこその表現を見出すことで、読者の共感を得られやすい「相聞歌」が生まれます。 |
恋の歌はたくさんあるけど、そこに自分の好きなもの、こだわりを加えたらもっと素敵になるんだね! |
こんな歌もあります
好きな子の方ばかり向く 我が息子 恋覚えたての若き向日葵 神光輝紀さん(東京都) 第6回優秀賞 |
われ初子夫は日出夫で初日の出 同級生から半世紀経ぬ 永井初子さん(奈良県) 第3回入選 |
席替えでとなりの君を見た途端 ベートーベンの曲鳴り響く 岩本麻央さん(中1) 第7回優秀賞 |
一さじのゼリー含みしわが夫の 喉元うごき米寿を祝ふ 野上小牧さん(北海道) 第5回入選 |
あなたを励ます応援団
シリウスを二人の星と定めいて 共に眺める遠距離の恋 熊本芳郎さん(山口県) 第4回入選 |
わぁ、ロマンチックだね……! |
どんなに遠い距離にいても、今は会うことができなくても、【短歌という「どこでもドア」】は、三十一文字に詠むことで、不思議と相手との「距離」を縮めてくれます。 この歌のように、シリウスが宇宙からふたりの恋心を照らしてくれるなんて、素敵ですね。 |
はるか遠くにある星も、歌の世界でならふたりの星になるんだね。 |
見渡せば、空にも大地にも、二人の恋を飾ってくれるものがあります。そんなすばらしい、二人への応援団に気づくことも、恋の歌を詠む副産物かもしれません。 |
ふたりの恋を飾ってくれる 「応援団」に敏感になろう! |
両想いにも片想いにも、「応援団」はいるよ! |
こんな作品もあります
手を繋ぐ 二人の上を 赤とんぼ このままずっと 離したくない 松島依緒さん(中2) 第6回入選 |
スマートフォン 君だけ違う着信音 あなたを知らせるその音が好き 後藤麻希さん(高2) 第1回入選 |
「ここ、おいで。」 隣の芝生を 叩くきみ わたしはあなたの 春になりたい 丸山華乃さん(高3) 第3回入選 |
帰り道君がとなりにいるだけで 心と空が色づいていく 水野愛梨さん(高3) 第7回入選 |