気持ちが常識を超える場所
ぼくたちが男どうしで何が悪い! ぼくのしんじつ受け止めてくれ 鈴木淳司さん(高2) 第2回入選 |
他者や世間の常識からはみだしそうな自分の気持ちも、短歌型式はしっかりと受け止めてくれる「心の器」です。 |
時として、誰かが決めた「ふつう」の枠になんて収まることができないのが人生ですね。そんな、誰かが決めたレールやルールよりも、もっと大事な「自分の気持ち」(自分たちの気持ち)もあるのではないでしょうか。 |
これまで見てきた短歌でも、中心にあるのは「自分の気持ち」だったよね。 |
一般論からは、はみ出してでも作者が語りたくて生まれた歌を、これからも、このコンテストでは大事に尊重したいと思います。 |
どこにも書けない気持ちからは、他の誰にも作れない歌が生まれるかもしれないね。 |
誰かが思う「ふつう」と、ずれていてもいい。 自分の本当の気持ちに嘘はつかなくていい。 世間の常識よりも、もっと大事な 【ホントウノキモチ】がある。 |
少数派にも幸あれ! 個性派にも光あれ! |
こんな作品もあります
いいじゃんかオレもアイツも男でも ふたりで咲かせた一輪の花 木内治輝さん(高3) 第3回入選 |
真っ直ぐにゆかなくてよし蔓のごと 捻じれ捩れて風を嗅ぎとれ 高橋よしえさん(東京都) 第2回入選 |
おーちゃんがママ大好きと言う度に 血の繋がりを超えてゆくのだ なかさとみさん(東京都) 第7回入選 |
「ふつう」とか「へいきん」だけでは見えて来ぬ あなたの良さをわたしは知ってる 後藤友紀さん(静岡県) 第1回入選 |
恋の「今」を歌にする
涙あふれ友達のままはつらいけど それでも君に出会えて良かった 鈴木萌花さん(高1) 第5回入選 |
せつない歌だけど、「それでも」以降の強さが印象的だね。 |
失恋さえも糧にして、逞しく、パワフルに前を向く人を、太陽も月も星々も優しく照らしてくれるのではないでしょうか。人生で一度も失恋をしたことがない人は、きっといません。もしいたら、それはそれで不幸なことかもしれません。 |
恋に破れても、「それでも君に出会えて良かった」と言える作者の思い。せつなさもさみしさも、すべてが短歌を詠むための【かけがえのないインク】です。 |
ここまでのお話でも、喜怒哀楽いろんな気持ちが歌になっていたよね。 |
恋には正解がないからいいのだと思います。自分が信じた道を貫くことで、見えてくる「あした」があります。自分なりのベストを重ねるからこそ、悔いのない日々を過ごせるのかもしれません。 |
信じる道を貫く楽しさも、つらさも、かけがえのないものだね。 |
恋は人生のたからもの。 今しか詠めない、 自分にしか詠むことのできない歌を! |
恋はやはり、人生のたからもの。 恋もきっと、「人生の醍醐味」です。 |
こんな作品もあります
クラス写真心の中でトリミング ぼくのカメラには君しかいない 増田悠里さん(高2) 第6回最優秀賞 |
帰り道 初めてつないだあなたの手 誰ともちがう温もりがある 守屋絹香さん(高2) 第1回審査員特別賞 |
卒業式 新たな道へ進む君 一つのボタンと私をおいて 福島亜美さん(高3) 第7回入選 |
ほんとうは君の名前を聞きたくて 犬の名を聞く 朝のはるかぜ 松下まきさん(神奈川県) 第4回入選 |