きょうだいへの素直な気持ちを
「これやる」とぶっきらぼうに兄が言う アイスがしみた中3の冬 森川雅美さん(高2)第5回入選 |
「兄弟」や「姉妹」を詠んだ「あいのうた」もありますね。 何度もけんかして、それでも、いつもそばで歳月を重ねてきた存在。 いつの日か、それぞれに独立して、離れ離れになる日が来るかもしれません。 |
最新の国際統計によれば、78億人もの人がいると推計される2021年現在のこの地球で、「兄弟」や「姉妹」として生まれるのは、どれほど奇蹟的な確率なのでしょう。 |
いろいろなきょうだいがいるけど、どのきょうだいも替えのきかない唯一の存在だよね。 |
この歌は、「これやる」という「ぶっきらぼう」なお兄さんの立ち振る舞いが逆にとてもリアルでいいですね。 そんなお兄さんの気持ちを受けとめ、「アイスがしみた」中学3年生の冬の作者。 |
「兄弟」「姉妹」はかっこつけずに ありのままを詠んでみよう! |
一人っ子も多い中、兄弟や姉妹の歌が詠めるだけでも幸せなことなのかもしれません。 |
こんな作品もあります
「乗ってくか」免許をとった兄の声 隣から見る兄は大きい 石山和奏さん(高1)第7回最優秀賞 |
よく動く 元気いっぱい 弟の 遊ぶ姿は スーパーボール 小池妃那里さん(高1)第4回入選 |
アルバムの ページをめくり 思いだす 妹とつなぐ 洋服のバトン 原弥桜さん(小5)第6回入選 |
おとなしい兄のケンカの原因は 悪く言われた弟のため 野井さくらさん(京都府)第4回審査員特別賞 |
子育てはみんなでするもの
教え子に結婚式の父役を 頼まれし日の酒のうまさよ 八木信男さん(大阪府)第5回審査員特別賞 |
「教え子」を詠んだ歌にも素敵な作品がありました。 父役を頼まれる、というのは先生冥利に尽きるのでしょう。 |
「酒のうまさよ」という言葉に、じんわりと広がる喜びと教え子への想いがこもっているね。 |
血はつながらなくても、愛情いっぱいの短歌は詠むことができますね。 下記のように、たった一度会った人にも、「元気な子ども産んでください」と勇気を出して席を譲った高校生。 園児たちを詠んだ保護者たちのあたたかい歌。 保育士の歌にも素敵な作品があります。 |
子育ては、決して親だけの仕事ではなく、社会全体、みんなが土壌となって、花や果実を育むような作業なのかもしれません。 |
見守るまなざしのあたたかさ。 これも体温のある歌を生み出す秘訣! |
今日も日本じゅうに、世界じゅうに、たくさんのこどもたちの元気な笑い声が響きますように! |
響きますように! 田中先生、ありがとうございました! |
こんな作品もあります
「ここどうぞ」電車の中で勇気出す 元気な子ども産んでください 牧田晃さん(高3) 第5回審査員特別賞 |
まちがえし児もすぐ和して 園児らの遊戯は左右に揺れるコスモス 井田寿一さん(滋賀県) 第1回優秀賞 |
かけっこの 桃色ぼうし 追ううちに 青も黄色も みんながんばれ 小野史さん(東京都) 第4回優秀賞 |
雨の日は言葉の散歩にでかけよう 傘、さくらんぼ、帽子、新幹線 水野真由美さん(神奈川県) 第5回最優秀賞 |